冬にからだが温まるスパイスと問われ、何を思い浮かべるかと言えば、シナモンです。
でも、同じような香りで、京都のお土産でお馴染みの「八つ橋」の甘くスパイシーな香りをかぐとあったかーいと感じたりしますか?
シナモンとニッキは同じような香りとして一括りにされがちですが、実は原料となる植物の品種、使われる部位、そして風味や効果まで全く異なる別物です。
シナモンとニッキの選び方、買う場所、シナモンスティックを使ったドリンクレシピまで、暮らしに役立つ情報をギュッとまとめました。
どうぞ最後までお読みください。
シナモンとニッキ
一般的に「シナモン」と呼ばれているものは一種類ではありません。
セイロンシナモンは数種類あるシナモンの種類の一つです。
シナモンは「スパイスの王様」と呼ばれています。
そしてセイロンシナモンは「真のシナモン」とも呼ばれているほどで、伝統医学の中では、糖尿病などをはじめとしたさまざまな病気の薬としても使われてきました。
一般的に流通しているシナモンはセイロンシナモンとカシアに分かれます。
シナモンには種類があることが分かりましたが、流通しているセイロンシナモンとカシアにはどのような違いがあるのでしょうか。
共にシナモンと呼ばれていても、原産国をはじめ味や香りに違いがあったのです。
セイロンシナモンですが、その名のとおりスリランカ(セイロン島)を原産国としたシナモンです。
セイロンシナモンはクスノキ科のセイロンニッケイという常緑樹を原料としていています。
高さ10mにもなるという木の樹皮をナイフではぎとり、乾燥させたもので、世界のシナモン生産量の約8%を占めている高級品です。
一方カシアはカシアはシナモンの仲間ですが、セイロンニッケイの近縁種から作られています。
種類としてはシナッケイ、インドグス、タマラニッケイなどです。
主な生産国は中国・インドネシア・ベトナムなどで、この3カ国だけで世界のシナモン生産の90%以上を占めています。
ニッキとは、クスノキ科の植物「ニッケイ(日本肉桂)」の根皮から作られる日本独自の香辛料で、甘い香りと強い辛味が特徴です。
京都名物の八ツ橋やニッキ飴などに使われ、シナモンとは原料の部位(根 vs. 幹)と風味が異なります。
シナモンとニッキその違いは?
シナモンとニッキは共にクスノキ科ニッケイ属の植物ですが、産地・部位・香りの成分に明確な違いがあります。
シナモンとニッキの違いを再度みていきましょう。
シナモンは、スリランカ産などの幹の樹皮、中国産などがあります。
原料は主にスリランカ原産のセイロンニッケイなどの樹木です。
木の幹の樹皮(表皮を削った内側のコルク状の層)を乾燥させたもの。
丸まったシナモンスティックはこの樹皮が自然に乾燥したものです。
芳香成分オイゲノールを含んでおり、甘く上品でマイルドな香りが広がるのが特徴です。
辛味が控えめで洋菓子やドリンクによく合います。
シナモンカシアの樹皮は硬いため、シナモンスティックのように丸まることはありません。
ニッキは日本産の根の皮で、日本産のニッケイ(またはシナニッケイ)などといいます。
木の根の皮(根皮)を掘り起こして使用。根を使うため生産量が非常に少なく、希少で高価です。成分にはオイゲノールを含まないため、メントールのようなツンと鼻に抜ける爽やかな清涼感と強い辛味・刺激を持ちます。
シナモンとニッキ選び方は?
シナモンとニッキの買い方、購入先の情報をまとめました。
一般的にはスーパーで買うことができます。
スパイスコーナーで小瓶入り(20g前後)が200〜300円で買えます。
トーストやお菓子作りに日常使いしたい方にお勧めします。
カルディ・輸入食材店・デパ地下などの専門コーナーでも買うことができます。
香り高い「セイロンシナモン」のパウダーや高品質なシナモンスティックが揃っています。
本格的なお菓子作りや、上品な香り・品質にこだわりたい方にお勧めします。
業務スーパー・コストコなどでも買うことができます。
大容量パウダーや袋入りのシナモンスティックが格安で購入できます。
アップルパイなどのスイーツを作るので、大量に使う方や煮込み料理やホットワインを大勢で楽しむ方向けになります。
忙しい方には、オンライン通販があります。
有機JAS認証のオーガニック品や産地指定のセイロンシナモン、小分けパックが豊富です。
無添加やオーガニックにこだわりたい方、近所に欲しい品種がない方にあ+はいいですね。
ニッキ(根皮)は現在非常に希少で、根そのものが調味料として店頭に並ぶことはほとんどありません。
ですから、「八つ橋(生八つ橋・焼八つ橋)」や「ニッキ飴」「ニッキ餅」といった伝統的な和菓子として購入するのが、手軽で最も美味しい楽しみ方です。
京都のお土産店やネット通販、全国のスーパーの和菓子売り場で手に入ります。
シナモンとニッキをホットドリンクにする?
シナモンスティックは、使い方ひとつでカフェのような本格的な味わいを楽しめます。
最も簡単な使い方としては、シナモンスティックをマドラー代わりに混ぜれば、軽やかな香りが楽しめます。
コーヒー、ストレートティー、ミルクティー、ココア、カプチーノにおすすめです。
温かいホットドリンクを用意します。
スプーンの代わりにシナモンスティックを1本添え、カップの中でクルクルと数回かき混ぜます。
老舗のカフェでは、今でもカプチーノにシナモンスティックがつくところもあります。
スパイシーで甘い香りが立ち上り、ワンランク上の贅沢な味わいになります。
本格的なレシピとして、じっくり煮出す方法があります。
この場合は、チャイやホットワインにおすすめです。
チャイ・ホットワインの作り方は、鍋に紅茶とミルクまたはワイン、お好みで砂糖やフルーツ、シナモンスティックを入れて火にかけます。
弱火でじっくり煮出し、一煮立ちしたら火を止めて約30分置くと、シナモンの風味がしっかり移ります。
シナモンスティックの使用後は使い回しや再利用はしないでください。
その理由は、シナモンは水分を含むとカビや雑菌が繁殖しやすくなるからです。
一度ドリンクや料理に使用したスティックは、湿気や衛生上の理由から再利用せず使い切るのが安全です。
なお、シナモンはアルコールの吸収を高める働きがあるため、ホットワインにしたら、飲み過ぎには注意しましょう。
シナモンとニッキの1日の摂取量の目安を書いておきます。
シナモン(カシア):小さじ1杯(約1.8g)程度まで
ニッキ:小さじ1/3(約0.6g)程度まで
※セイロンシナモンはクマリンが極めて少ないため、より安心して楽しめます。
シナモンとニッキの暮らしへの活かし方は?
シナモンとニッキは、アロマ(良い香り)を楽しむこともできるので、活かし方をみていきましょう。
フレグランスとしても天然の虫よけとしても活用ができます。
シナモンの樹皮には、シナムアルデヒド類という成分が含まれています。
この強力な香りは、人間にとっては心地よい芳香ですが、昆虫にとっては苦手な香りとなって、天然の虫よけ効果があります。
お皿にシナモンスティックやドライフラワーを玄関に置いておくと、見た目もお洒落なインテリアになり、心地よい甘い香りを楽しみながら天然の防虫対策ができます。
このほかに、食用として気分に合わせて香りを使い分けるのもお勧めです。
洋菓子の甘くマイルドな癒やしを求めるときは「シナモン」です。
和菓子の爽快な刺激でリフレッシュしたいときは「ニッキ」を使ったものになります。
スパイスの王様と呼ばれるシナモンは、古代ローマ時代をはじめ古くから料理などの風味付けや、薬用としても使われてきました。
アジアではインドのチャイなど飲み物に使われていたり、日本では饅頭などに使われることで有名です。そのほか欧米では、アップルパイやパンプキンパイをはじめとした菓子類、また主に鶏肉料理などでも使われています。
意外な活用法がありますが、ぜひ取り入れてみてくださいね。
シナモンとニッキの歴史とは?
シナモンは、世界最古のスパイスとして人々の暮らしに根付いてきましたし、ニッキは日本では八つ橋というお菓子などで江戸時代に誕生しました。
いくつもの種類が存在するシナモンですが、古くから人々に愛され使われてきたスパイスのひとつでもありました。
紀元前2000年ごろから古代エジプトではシナモンが使われていたということです。
これはセイロンシナモンという説とカシアという説があり、混同しているようです。
当時シナモンは非常に高価な品物だったため、王への献上品として使われていたといいます。
古代エジプトでは、スパイスの防腐作用を生かしてミイラ作りに使用されていました。
シナモンが使われていたと歴史家が記しています。
日本には、飛鳥から奈良時代に中国から伝わり、正倉院には「桂心」を言う名で宝物として、大切に収められています。
江戸時代、東海道を行き交う長旅の旅人たちは、八つ橋やニッキ飴をおやつにして旅の疲労を癒やしていました。
ニッキに含まれる豊富なカリウムが足のむくみや疲労を和らげ、糖分と血行促進効果でエネルギーを補給するという、理にかなった先人の知恵だったのです。
スパイスは古代エジプトだけではなく、飛鳥時代に中国から伝わっていたんですね。

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