あなたは辛いもの好きですか。
辛いと思い浮かべるのが、トウガラシ、ワサビ、サンショウ、コショウなどがあります。
このほかにマスタードもありますが、今回はマスタードの産地ディジョンご紹介します。
歴史のある豊かな恵みあふれるディジョンの文化やグルメから学べることは、
オンリーワンの存在となるために必要な条件は
ディジョン、どこ?
ディジョンは、フランスの東部ブルゴーニュ地方の街で、パリからTGⅤに乗れば1時間半で到着します。
ブルゴーニュ地方は、紀元前からワインづくりが行われてきました。
太陽の光に恵まれた豊かな土地。
ディジョンには魅惑のワインだけではなく、パン・デビスと呼ばれるスパイスケーキやマスタード、エスカルゴ、クレーム・ド・カシスなど見逃せない食材がたくさんあります。お菓子好きのためのフランス地方の過ごし方 小林かなえ 文化出版局
話題がそれますが、ディジョンでもガストロノミーが開催されています。
ガストロノミーとは、食事と文化の関係を考察するといって、料理を中心として様々な文化的要素で構成されます。
食や食文化に関する総合的学問体系ともいうべきで、美術や社会科学、人間の消化器系の天からも自然科学にも関連があります。
ガストロノミーに取組む人たちの活動は、料理にまつわる発見、飲食、研究、理解、執筆、その他の体験に携わることです。
たくさんの食材を抱えるディジョンは歴史的な文化も含めて、ガストロノミーが開催される背景がありそうですね。
中世末期、ブルゴーニュ公国の首都として栄えたディジョンは、当時の面影を残した文化遺産を見ることができます。
現在では「芸術と歴史の町」として、ブルゴーニュ地方の文化遺産とグルメを楽しめる観光地となっています。
ディジョンは美食と優れた生活術(アール・ド・ヴィーヴル)で世界的に有名ですが、フランスで随一のワイン産地への玄関口でもあります。
コート・ド・ニュイ地区のワインは最高級とされています。グラン・クリュ街道は「ブルゴーニュのシャンゼリゼ」とよばれるにふさわしい名声を誇ります。
特産品を味わう マスタード、パン・デピス、カシス・シロップ、ワインなど。ブルゴーニュ地方の美食は世界的に知られ、ディジョンを訪れる人々を常に満足させてくれます。フランス観光開発機構公式サイトより抜粋
1000年以上もブルゴーニュ公国の首都として栄えたディジョン。
歴史もあり、文化遺産やグルメを楽しむことができます。
マスタードの産地として、有名なディジョンですが、古い町並みが残されているため、街を歩くのも楽しいです。
太陽の光をたくさん浴びた農産物も豊かに実る場所として、グルメな街でもあるのですね。
日本でも歴史のある街に美味しいお菓子屋さんがあったりします。
そして、フランスは地方ごとに食材や食べ方が違ったり、特産のワインやチーズも個性があります。
フランスを旅するなら、個性を味わう気持ちが大切な気がします。
ディジョン、マスタード?
ⅯAILLE(マイユ)というブランドの瓶入りマスタードをみたことがありますか。
マイユは1747年創業です。ハーブ入り、フルーティーなものまで、様々なフレーバーのマスタードがあって、マイユでは量り売りもしているそうです。
マスタードをいれる容器として壺も売られているそうです。
ディジョンの特製マスタードはフランス人にとって日本人にとってのお醤油のような存在だとか。お菓子好きのためのフランス地方の過ごし方 小林かなえ 文化出版局
マスタードは、アブラナ科のからし菜という植物の種子を原料として使用します。
からし菜の種子は、そのままでは辛味を感じません。
すりつぶして水を加えると、種子に含まれる酵素「ミロシナーゼ」が働いて辛味を感じるようになります。
この辛味成分が働くと、ハーブとなります。
作り方は、からし菜の種子に酢や砂糖、ワインなどを加えて造ります。
種子をすりつぶす場合もあれば、すりつぶさず粒状のまま造られる場合もあるそうです。
給食に出る粒マスタードサラダは、子どもたちに食べやすくおいしく仕上げているようです。
マスタードの語源は、ラテン語の「mustum ardens」に由来します。
この言葉は「燃えるワイン」という意味で、古代ローマ時代に、マスタードシードをすりつぶし、ワインや酢と混ぜて辛味を引き出す方法が広まったことから名付けられました。
この辛味の特徴が、料理に刺激的なアクセントを加えるだけでなく、薬効成分としても利用されてきました。
同じマスタードでも産地によって違いは¥があるといいます。
シロガラシ(ホワイトマスタード)
現残地 ヨーロッパ、北アメリカ
比較的マイルドな辛味が特徴で、一般的なマスタードペーストの原料として使用されます。種子は黄色がかっています。
クロガラシ(ブラックマスタード)
原産地 インド、地中海沿岸地域
強い辛味を持つのが特徴で、インド料理では、この種子を油で炒めて香りを引き出す調理法が一般的です。
ブラウンマスタード
原産地は地中海沿岸やアジア
中辛の辛味を持ち、ブラックマスタードとホワイトマスタードの中間的な特性を持つ品種です。特にフランスのディジョンマスタードの原料として有名です。
かつて、ディジョンまで車で旅行したことがあります。
その時に、一面に咲く黄色いアブラナ科の植物をみたことがあります。
日本と同じように春を告げる黄色の花が一面に広がっている様子は、明るい気持ちになれたのを覚えています。
からし菜の花、マスタードの粒を収穫する前の様子だったんですね。
アブラナ科の植物も地球上の歴史としては、古くから栽培されていました。
ディジョン、レシピは?
マスタードの用途は、料理だけでなく医療や美容分野にも広がっています。
医療面での利用
古代ギリシャやローマでは、マスタードが薬用植物として利用されていました。
種子に含まれる辛味成分が血行を促進し、消化を助けると考えられてきました。
また、風邪や関節炎の緩和のために湿布として使用されることもありました。
美容面での利用
マスタードオイルは、スキンケアやヘアケア製品の成分として利用されることがあります。
抗酸化作用や保湿効果が期待されており、特に乾燥肌や髪の保護に効果的とされています。
料理面での利用
チェーン店のカフェではホットドッグにマスタードが塗られています。
ソーセージや焼いたお肉に乗せるなど手軽に味のアクセントになります。
オリーブオイルと合わせてマリネやカルパッチョに和える、ハチミツを少々加えてハニーマスタードソースを作り、フライドチキンに合わせるなど様々な使い方が楽しめます。
パンやサンドイッチのアクセントとしても欠かせない存在です。
インド料理では、スパイスとして種子をそのまま使用することが多く、炒めることで香りを引き出します。
レシピ紹介
豚肉ソテーマスタードソース
材料
豚肉2枚(生姜焼き用)
ソース 水大さじ1、白ワイン大さじ1/2、砂糖大さじ1/2、粒マスタード大さじ1/2、塩小さじ1/2、こしょう適量
作り方
1.フライパンにサラダ油を強火で熱し、焼きはじめは浮いてくるので豚肉をへらで押さえながら1分~1分30秒間焼く。弱火にしさらに2分間焼く。
2.再び強火にし、裏返して1分間焼く。弱火にし、さらに2分間焼いて取り出す。3.アルミ箔(はく)で包んで5分間ほど休ませる。
4.再び強火から弱火に火加減を変えて、焼き色をつけつつ、肉汁を閉じ込める。
5.肉を取り出してたフライパンの脂を軽く拭き、ソースの材料を順に入れて中火にかける。粒マスタードを加え、軽く煮詰めてなじませる。
6.アルミ箔に残った肉汁ごと豚肉を戻し入れて一度沸いたら火を止め、器に盛ってソースをかける。
ディジョン、スイーツは
ディジョンで最も有名なスイーツは、パン・デビスです。
町のあちこちでいろんな形のものが売られています。
中でもいちばん有名なのはボスュエ広場にある1796年創業の老舗ミュロ・エ・プティジャンだそうです。
パン・デビスとは香辛料入りパン。英語ではジンジャーブレッド。
発酵生地にハチミツ、スパイス、時にはフルーツの砂糖漬けを加えて焼いたお菓子。
ハチミツの代わりに他の甘味料を入れ、保存がきくようにしたものもある。
形は、多くはパウンド型だが、その他にノネット(若い修道女の意)という直径5cm、厚さ3cm位のパサパサしたもの、ジャンブレットという、丸または長方形の薄いクッキー状のもの、グラッセ・マンスという棒状で白く砂糖がけしたものなどがある。
起源は10世紀頃中国で作られていた、小麦粉とハチミツを使ったお菓子「ミ・コン」だといわれる。
このお菓子を13世紀に中国と戦ったモンゴルのチンギス・ハンが持ち帰ったという逸話もある。
このお菓子がアラブに伝わり、11世紀に十字軍によってヨーロッパにもたらされた。当時はハンガリー、ドイツ、オランダ、ベルギーなど東欧を中心に食べられていたが、1369年に北フランスのフランドル地方のマルグレット王女がブルゴーニュ公国のフィリップ3世に嫁いだため、ディジョンでも作られるようになったという。(このフィリップ3世が、フランドル地方遠征中にこのパンを見つけ持ち帰ったという説もある。)当時のオランダには異国の香辛料があふれ、様々な料理に使うのが一種の流行だったようで、このパンもその1つであったのだろう。
ショコラ@パワスポグルメより抜粋
スイーツではありませんが、ディジョンには有名な飲み物があります。
カシスのリキュールであるクレーム・ド・カシス。
これをブルゴーニュ産の白ワインで割ったものがキールという飲み物です。
たいへんのど越しがよいキール、冷たく冷やしたものを飲んだ時に思わずたくさん飲んでしまうのは要注意です。
何故なら、リキュールのアルコール度数は20℃以上だから。
デザートには、クレーム・ブリュレのパン・デビス風味のアイス添えがでることがあります。
どれほど、愛されているスイーツなんでしょうね。
このほかにも、ディジョンで食べられているスイーツがあります。
フラミュース 家庭で作るフルーツ入りケーキ
リゴドン ブリオッシュを使ったパンプディング
クラピヨ ベーコン入りパンケーキ
タルトゥイヤ リンゴの薄切りを加えたクレープ生地を、キャベツの葉にのせて 焼いたもの
サンフロランタン クリームとサクランボをはさんだスポンジケーキ
グージェ―ル チーズ入りシュー
ポワール・ベル・ディジョネーズ
丸ごとの洋梨をバニラ風味のシロップ漬けコンポートにし、ラズベリーピュレをかけて食べるデザート。ショコラ@パワスポグルメより抜粋
フランスの地域ごとにある食べ物やスイーツ、ワインから学ぶのは自分の地域を大切にしていることとそれを胸をはって自慢することですね。
ワインが有名なのも、パン・デビスが有名なのも、その地でとれる豊かな食材があってのこと。
一律に同じ食材を栽培したり育てるのではない、歴史から学びながら地元の良さを活かし続けることが大事ですね。
オンリーワンの存在となるために必要な条件がディジョンにはありますね。
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