女性がプレゼントに贈られたい花は何だと思いますか。
バラ、百合って考えますよね。
今回は、フランス生まれのガリカローズについてご紹介します。
香りで満たされるならガリカローズ
ガリカローズとは
ガリカローズは現存するばらの中で最も古くから栽培記録の残る系統です。
その記録というのは、、古代のローマ時代、一世紀ローマの博物学者プリニウスが記した「博物誌」に残っています。
「燃えるような赤いばら」としてその存在が示されています。
この原種が自生していたフランス南部の地域を当時はガリア地方と呼んでいたことから、ガリカローズと呼ばれるようになったとされています。
別の言い方では、フレンチローズと呼ばれていました。
薬用植物として利用されていた歴史から、ラテン語で薬を意味する「アポテカリ・ローズ」の別名もあります。
ガリカローズ最古の品種のひとつ「ロサ・ガリカ・オフィキナリス」
遺伝学的には赤ばらの祖先とされ、実際この系統には赤や紫の花色を持つ品種が多く存在します。ばらの収集と保護で有名な皇帝ナポレオンの皇后ジョセフィーヌが住んでいたマルメゾン宮殿においても、150種ものガリカ系交配種が植栽されていたとされています。
歴史上、極めて重要なガリカローズですが、実は庭園素材としてお庭の植栽に利用するにも、鉢仕立てにして楽しむにも魅力が一杯の系統です。
半八重咲きで香り高く、紅色や濃桃色のバラであることが特徴で、基本的には春のみの一季咲きです。
高さ1.3mくらいの木立性ですが、中にはつる性になるものもあります。
19世紀はじめ、フランスのマルメゾン宮殿には、150種類以上のガリカローズが栽培されていた記録が残っています。
オールドローズとは
四季咲き性の大輪の現代バラが生まれる前、主に15〜18世紀の西洋で栽培されていたつる性(または半つる性)のバラたちをオールドローズと呼びます。
オールドローズは西洋の古いバラの品種を中心とする便宜上の呼び名で、学術的な区分はありません。
古代ローマ帝国の時代から栽培の記録があるガリカローズやダマスクローズは本当に古い西洋のバラといえます。
ルネサンス絵画に見られる白いアルバローズや花弁の多いケンティフォリアローズは、それらから派生した系統とされています。大航海時代に入り、プラントハンターたちにより東洋から四季咲き性のあるコウシンバラの仲間がヨーロッパに紹介されると(18世紀後半ごろ)、春以外も咲く新しいバラを求めて、意欲的に交配が行われました。
【趣味の園芸】2024年9月抜粋
19世紀にはナポレオン1世の皇后ジョゼフィーヌによる庇護や芽つぎなどの技術が確立 し、新品種の作出が加速していきました。このころから作出者や交配などの記録が残されているものも多く見受けられます。
オールドローズの中には、ガリカローズとケンティフォリアがあります。
「ガリカ」は古代から栽培された最も歴史のあるバラの一つで、歴史的な記録にも登場します。
「ケンティフォリア」はラテン語で「100枚の花びら」を意味し、花弁の多い豪華な姿が特徴です。
ばら栽培の愛好家たちからもファンが多いオールドローズ。
花付きが良く枝がしなやかであることは、使いやすいつるばら(春のみ開花する品種は基本的につる状に枝が伸びます。)として外せない条件です。
ガリカローズの仲間はほとんどがこの条件を満たしています。
そして素晴らしい芳香も。
ばら栽培にチャレンジしたことがあります。
植木鉢で育てる予定でした。
ただ、自宅のベランダは日照不測のため、見事に失敗しました。
栽培しやすい条件には、太陽の光が欠かせません。
ガリカローズ、花言葉
ガリカローズの花言葉は、「喜びと苦しみ」そして「愛情」です。
その花言葉には由来があります。
ガリカローズは英国で薔薇戦争が繰り広げられた際にランカスター家の紋章として用いられたことから、「レッド・ローズ・オブ・ランカスター」という別名でも呼ばれています。
薔薇戦争はイギリスで1455~1485年までに起こった王位継承権をめぐる争いです。
赤バラを紋章としたランカスター家と白バラを紋章としたヨーク家の対立でした。それが花言葉の由来であるかは定かではありません。
ほかに「契約」や「愛」といった花言葉もあります。
この花言葉には深い意味があります。
それは、この花が古代から誠実さや愛を象徴してきたことに由来しています。
特にフランス革命時代には、自由と平等の象徴としても使われていたとも言われています。
ガリカローズには愛情という花言葉もあります。
香りで満たされるならガリカローズ
その香りで愛をかんじることができそうです。

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