トリアノン宮殿、行くべき、見どころ

トリアノン宮殿を知っていますか。
ヴェルサイユ宮殿の片隅に建つ小さな城であり、別荘です。
ヴェルサイユ宮殿から隔離されていながら、遠すぎない距離にありました。

人には自分らしくなれる場所が必要

トリアノン宮殿

トリアノン宮殿は、マリー・アントワネットの夫の祖父であるルイ15世が人目につかない愛の巣として大いに利用していた場所です。
国庫から別荘建設費用に支払われたかなりの額を使ったのは、ルイ14世でありルイ15世です。

トリアノン宮殿の部屋は全部で7~8つ、控えの間、食堂、大小の客間、寝室、浴室、小図書室。
実は、繊細で控えめで、明るさを感じる様式でマリー・アントワネットに必要な場所でした。

マリー・アントワネットの夫であるルイ16世はとても退屈な人物でした。
この城をマリー・アントワネットは引き継ぎました。

彼女が活動する範囲は決まっていました。
ヴェルサイユ宮殿、トリアノン宮殿、マルリー、フォンテーヌブロー、サン=クルー、ランブイエ。
ごく狭い範囲にある宮殿が彼女の世界でした。


リー・アントワネットの一日は重要なセレモニーとともに始まりましたが、退屈なのが怖かったのです。
ヴェルサイユ宮殿ではありとあらゆる生活の行為が、国事となってしまうから。

自由にふるまいたいマリー・アントワネットは、いつでも喜んでいいなりになるルイ16世に隠れ家をねだりました。
そこにいる時だけは、王妃である必要がない隠れ家。
トリアノン宮殿にいれば、くつろいで過ごすことができたからです。

トリアノン宮殿、行くべき

隠れ家というトリアノン宮殿ですが、フランスのヴェルサイユ宮殿の敷地内にある離宮群を指します。

トリアノン宮殿は、王族が堅苦しい宮廷生活から離れ、親しい人々とくつろぐための私的な空間でした。特に小トリアノン宮殿は、マリー・アントワネットが許可なく夫であるルイ16世さえも立ち入りを禁じるほど、彼女にとって特別な場所でした。

トリアノン宮殿はヴェルサイユ宮殿の広大な庭園内にあり、大トリアノン宮殿と小トリアノン宮殿があります。
ヴェルサイユ宮殿から歩くと時間がかかります。
見学の所要時間は、大トリアノン宮殿だけであれば60分から70分が目安です。

大トリアノン宮殿は、ルイ14世が宮廷の喧騒から離れて過ごすために1687年に建造されました。ピンク色の大理石が使われていることから「バラ色のトリアノン」とも呼ばれ、ヴェルサイユ宮殿の中でも特に優美な建築物とされています。
ナポレオンも別荘として使用し、1960年代には迎賓館としても使われました。

小トリアノン宮殿は、元々ルイ15世がポンパドゥール夫人のために建てたものです。
その後、ルイ16世が王妃マリー・アントワネットに贈り、彼女のお気に入りの場所となりました。マリー・アントワネットは宮殿を自分好みに改装し、庭園をイギリス式庭園に作り変え、「王妃の村里」と呼ばれる農村に見立てた集落も作らせました。

王妃マリー・アントワネットはここにいると気分がいいため、ゆるんだ心とカラダは夕方ヴェルサイユにもどることを億劫になっていきました。
彼女は、トリアノンで何の心配もなく自分自身を生きたいと願ったのです。

マリー・アントワネットは、トリアノンを装飾するために次々と新しいものを手い入れたくなっていきました。
重い綾織物ではなく、とろりとしたクリーム色、桃のようなピンク、春の日の青、淡く優しい色調が中心でした。
おしゃべりしたり、気楽にくつろぐ客間。

トリアノン宮殿は心を開く場所がなかったマリー・アントワネットの唯一、肩の力を抜いて過ごせる空間だともいえます。

トリアノン宮殿、見どころ

マリー・アントワネットが夫ルイ十六世から受け取ったトリアノン宮殿。
設計者は、この小さな城を単なる娯楽施設ないし別荘として作りました。
簡素で古代ギリシャ・ローマ様式、庭の緑に白が映えた建物。

シュテファン・ツヴァイクの著書であるマリー・アントワネットには多くの情報が記載されています。

一番、心を砕いたのが庭園です。
イギリス風チャイナ庭園です。
フランス、インド、アフリカの樹木、オランダのチューリップ、南国のマグノリア、そして、池、小川、山、洞窟、ロマンティックな廃墟、田舎の家、ギリシャの神殿、東洋的な景色、オランダの風車・・・・・
音楽堂、森の小道、草原に咲く草花、すべてが人工的に作られたとは思えない出来栄えでした。

さらに自然をもっとも自然としてみえるようにさらに手が加わりました。
本物の俳優が呼ばれ、本物の農夫、本物の農婦、本物の牝牛を連れた本物の乳しぼり娘、子牛、豚、ウサギ、羊、本物の草刈り人、収穫人、羊飼い、洗濯人、狩人、チーズ作り人、彼らは草を刈り、洗濯し、肥料をまき、乳を搾り、マリオネット人形みたいに陽気に動き回っていました。

厩舎、干し草小屋、納屋、ハト小屋、鶏小屋をふくむ実物大の人形劇場が誕生していきました。
マリー・アントワネットが作り上げた心のよりどころ、彼女の退屈を紛らわした場所。

人は自分らしくなれる場所が必要。

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