エリック・サティ グノシエンヌ、あなたが欲しい、グノシエンヌ第一番

テレビドラマの効果音楽として耳に残る曲はありませんか。
耳に残るというよりも心に残る曲という方があっているかもしれません。
それが、フランスの作曲家エリック・サティの曲です。
テレビでも流れてきた曲は、熱海の捜査官や相棒などで使われていました。
この曲を聴くと、何だか胸がざわつく感じがするのです。

それが、グノシエンヌ第一番です。

 

エリック・サティ グノシエンヌ

エリック・サティのグノシエンヌ1番から3番は「3つのグノシエンヌ」といわれ、彼の最も有名なピアノ作品の一部であり、彼の革新的な作曲スタイルを代表するものとなっています。

エリック・サティは、1866年にノルマンディーに生まれ、1870年には家族でパリに移住し、13歳でパリ音楽院に入学した(1866-1925)20世紀のフランスの作曲家です。

彼が生まれる前の1789年にフランス革命がおこりましたが、1799年にナポレオンがフランス大統領となり、1804年にはフランス皇帝となり、フランス第一帝政が敷かれます。
市民たちは自由を求めたのですが、伝統的な政権が続いていた背景があります。

エリック・サティが入学したパリ音楽院は1669年の王立音楽アカデミーを起源とする、当時から伝統のある学校で「コンセルヴァトワール・ド・パリ」とも呼ばれます。
サティにとって、伝統的な音楽を学ぶのは少々退屈だったようで、1887年にパリ音楽院を中退しました。

その後サティはパリの文化人たちとの交際を続けていきます。
それは音楽家だけに限らず、画家、小説家、詩人、哲学者、脚本家、映画監督など、多くの分野の人たちと交流し、またサティ自身も絵や詩を書き、思想を言葉にしていきました。

エリック・サティは1888年には調号と小節線を廃止したピアノ曲「3つのジムノペディ」を作曲。
ドビュッシーやラヴェルに大きな影響を与えたと言われています。

エリック・サティは1905年から作曲法を学び直すためにスコラ・カントルムでダンディに師事。
当時からピアノ曲を作曲していました。
さらに、1916年にはジャン・コクトーの台本で、ピカソの装置と衣装によるバレエ音楽「パラード」も作曲したのです。

50代となったエリック・サティ―は、若き作曲家に影響を与えました。
その若き作曲家とは、ミヨー、オネゲル、オーリック、プーランク、デュレ、タイユフェール6人組はエリック・サティ―とコクトーを賛美していました。

エリック・サティはしばしば奇妙な行動を取っては周囲を驚かせていました。
言葉には機知とユーモアが溢れていたのです。
「音楽界の異端児」「音楽界の変わり者」と呼ばれていたエリック・サティ。

グノシエンヌは1番から3番までとなり、1881年、1891年、1897年に作曲されました。
エリック・サティのグノシエンヌ1番から3番は「3つのグノシエンヌ」といわれ、彼の最も有名なピアノ作品の一部であり、彼の革新的な作曲スタイルを代表するものとなっています。

サティはしばしば伝統的な楽譜の枠組みから外れ、自身の独自な指示やタイトルを使用していました。
その結果、彼の音楽はしばしば神秘的で、リスナーに異なる感覚や気持ちをもたらします。
このグノシエンヌも例外ではありません。

グノシエンヌというタイトルは、ギリシャ語の「gnosis」(知識)から派生しており、エソテリックな知識やスピリチュアルな秘密を意味していることが示唆されています。
エリック・サティがこの言葉を選んだ具体的な理由や背景はわかりませんが。、彼の音楽にはしばしば非伝統的な、あるいは秘密めいた要素が含まれています。

音楽的に、グノシエンヌは繊細で静謐な雰囲気を持っており、独特のリズムやメロディが特徴的です。
これらの作品は、トラディショナルな調性や形式にしばられていないことから20世紀には多くの作曲家に影響を与えました。

 

あなたが欲しい

あなたが欲しいという曲はモンマルトルの「黒猫」という文学酒場で歌っていたポーレット・ダルティのためにサティが1901年に書いたものです。

ドビュッシーやラベル、フォーレと同時代の作曲家で、既存の調性からはずれた自由な作曲技法はサティに発するものとされています。

あなたが欲しいを作曲した当時、エリック・サティはとても貧乏で、生活のために長く、ミュージック・ホールでピアノの伴奏をしていました。
作詞はアンリ・パコーリ。スロー・ワルツの女王”と呼ばれた人気シャンソン歌手、ポーレット・ダルティのために書かれました。

当時、彼はたくさんのシャンソンを作りましたが、現在、ほとんど残ってないそうです。
画家のロートレックは1864年生まれで彼と2歳違いですから、きっとサティの演奏を聞いていたと思います。

あなたが欲しいという作品にある歌詞は女性版と男性版があるそうで、おおよその内容は同じだそうです。
「あなたの気持ちはわかってる。あなたの恋人になるわ。一心同体になって、燃えましょう」という感じ。

固苦しい「さあ、聞くか」って、人々が構えて聞く準備をして聞くような仰々しい音楽ではなくて、誰にも気に留められないBGMのような音楽。
究極のインストゥルメンタルを追求していたのがサティの理想の音楽だったということですね。

少女漫画にもあなたが欲しいを題材にした作品があります。
この「ジュ・トゥ・ヴ ~あなたが欲しい」は、ヒロインが恋人であるルディ(ヴァイオリニスト)と共にデュエットをします。
愛を語り合ったときと、色々あって別れたけれども復縁して後。最後に彼女が舞台で復帰するとき、彼の伴奏で歌うのですよ。

漫画の世界にも溶け込むエリック・サティの曲って面白いですよね。

グノシエンヌ第1番

グノシエンヌは3つのピアノ曲から成り立っています。

グノシエンヌ第1番は1890年に作曲されました。
拍子記号も小節線もなく、音楽と時間に対するエリック・サティの自由な思考がうかがえます。
「思考の隅で…あなた自身を頼りに…舌にのせて」などと書き込まれているそうです。

エリック・サティが作曲したグノシエンヌ第1番。
初めて聴いた感想がこのピアノ曲をよく表現している思います。

初めて聴いたのは、テレビかな。多分『世にも奇妙な物語』だと思うんだよなあ…
この曲を初めて聴いた時、悲しい、こわい、って思った。タイトルも何も解んなくて、どこかで巡り会えたらなと思ってた。

どこでどういうタイミングで知ったかって、多分ジムノペディの方だと思うんだよな。そこでジムノペディというタイトルを知って、この作曲者がエリック・サティって名前だって知って、TSUTAYA行ってCDを借りて。聴いて。

聴いてったら、グノシエンヌも入ってて、これじゃん!ってなったんだよ。出会えた!っていうね。すぐ楽譜を買った。

紫子 文系好きな理系女子です。2026年のテーマは可惜身命。 生きる。noteより抜粋

グノシエンヌ第一番は聴いたことがあると思います。
一度聴いたら、忘れない曲調です。
不安を掻き立てるようでいて、どこか懐かしさも感じます。

エリック・サティが生まれる前にフランス革命がおこりました。
時代の機運は自由を求めていたはずですが、まだまだナポレオンが統治をしていた時期は以前のような雰囲気になっていたのです。
古いものにとらわれない、伝統や威厳を打ち壊したい衝動をフランスの人々は感じていたかもしれません。
その時代の雰囲気を、音楽で表現できているのがグノシエンヌ第一番と言えるかもしれません。

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